タイで大麻栽培ビジネスを始めるにはいくらかかる?

大麻ビジネス

私(の家族)は2021年にタイで大麻栽培ライセンスを取得し、現在栽培を始めました。いまのところ、このビジネスは圧倒的な売り手市場で、週に数回は「ウチに売ってくれないか?」と加工・販売企業から電話がかかってきます。

そんな状況なので、タイで大麻栽培ビジネスを始めたいという人は多いと思います。 ですが参入を躊躇する人もまた多いです。 単純になんで??と思いますが、ほとんどの人の場合、その理由に2つの不安をあげます。

1つは「ライセンスの申請が面倒そうだから」。 そしてもう1つが「お金がかかりそうだから」というもの。 今回は「2つ目のお金がかかりそう」、すなわち「初期コスト」について説明します。

初期費用

今回は大きめのもので必ず必要なものだけを取り上げます。 細かいものはまた別の機会に説明します。

土地

まず、土地・畑の費用があります。 土地を持っている人なら問題有りませんが、そうでない場合は購入、またはレンタルの費用がかかります。 農地ですので、基本的には郊外の安い土地が良いはずです。 ただし扱うのが大麻ですので、あまりに人里離れていたりすると、高確率で泥棒に荒らされます。

また以前も書きましたが、タイでは国に公式に登録されている土地でないと大麻栽培ライセンスはおりません。 タイでは未登録の土地が郊外の農地や山地にかなり多くあるので、ライセンスを申請する方は事前に調べておいたほうがいいと思います。 実際うちの近所にも未登録の土地は多いです。 またこれは土地所有者が登録しようとしてもできないので、現在未登録であればあきらめて他の場所を探すしかありません。

そして畑の広さですが、最低でも200~300株は収穫できる広さがほしいところです。20㎡以上はほしいですね。 タイの単位でいうなら0.5ライ前後はあったほうがいいと思います。 ただし、あまりに広すぎると手が回らず、大きく収穫を減らすことになりかねないので、最初は自分で見られる程度にしておいたほうがいいと思います。*後で増やしましょう。

金額的には購入でも賃貸でもピンキリですので、最悪収穫0のコスト分赤字でも、数年はやっていけるような金額にするべきでしょう。タイなら安い土地を探せば必ずありますので。 また、うちの場合は適当にラムヤイだけ作っていた農地があったので、それを使いました。

外壁

かんたんに侵入できないようなフェンス、壁などです。 私がライセンス申請をしたときは、高さなどの規定が毎回のようにコロコロ変わっていてハッキリしませんでしたが、今はそれなりに強度のある柱に有刺鉄線でもOKなようです。高さは多分1.5mほどでしょうか? これも申請前にFDAで確認してください。

また、やはり泥棒が出ると思いますので、かんたんには入れないように金網はつけたほうがいいように思います。有刺鉄線だけだと、くぐって入れたりもしますので。 苦労して大きく育てた大麻を、ごっそり持っていかれたなんてことになったら最悪です。

外壁のコストですが、私の場合、1.4mの金網+上部40cmを3段の有刺鉄線で自作したのですが、材料費だけで15万バーツほどだったと思います。*主に金網とコンクリート製の柱

それプラス、出入り口用に鉄柵の門とその基礎・溶接工事で2~3万バーツ程。

うちの場合、外壁全体は基礎工事は行わずに柱を土に埋めただけで立て、金網と有刺鉄線を張りました。基礎工事をして完璧にしようかな・・とも考えましたが、見積もりの段階で100万円をらくらく超えていたのでやめました(笑)。 いくら大麻でも初期投資に数百万円もかけていたら、コスト回収だけで数年はかかってしまいます。 

この外壁に関しては、かなり悩みました。 というのも、ヘンプならかんたんな工事で安く済ませてもライセンス申請は通ります。しかし医療・嗜好用大麻の場合は、外壁の強度・高さもライセンス交付条件に入っています。かんたんな有刺鉄線のみの壁?では、ヘンプはOKでも、いずれ解禁される嗜好用大麻の栽培許可はおりない可能性があります。 この判断は、今後もヘンプを作り続けるか?嗜好用大麻の栽培ライセンスが解禁されたら、そっちに移行するか?をよく考えたほうがいいですね。 まあ、とりあえず安くヘンプで様子を見て、嗜好用栽培解禁時に再考する、というのも悪くないとは思います。

うちの大麻畑は水田だらけの場所の一角にあります。 なので国営の水路がすぐ近くにあり、無料で自由に農業用水を引き入れることができます。 ですが、あえてその水を使わず、地下水を汲み上げて利用することにしました。

理由はいくつかあるのですが、まずは飲料水、トイレ、シャワーにする生活用水が欲しかったこと。 それとタイには乾季があり、この時期には国営水路が枯渇してしまいます。 一応、週に一度くらいはダムから放水してくれるのですが、貯水できる水田ならまだしも、大麻畑にはこの頻度では少なすぎます。

そして水やりを機械でやりたかったので、選択肢は地下水しかありませんでした。*それなりの広さになると、じょうろやホースで水をやるというのは無理があります。

この地下水汲み上げと電気式の給水ラインにかかった金額が・・・

  • 地下水汲み上げ工事 約15万バーツ
  • タンク✕3 2万バーツ
  • 浄水器 2万バーツ
  • 給水器、配水パイプ、配水パーツなど 1.5万バーツ

約20万バーツちょいですね。 これが予定外の出費でした。

というのも、工事前に業者がいったのは、この土地なら地下水はどこにでもあるので、5万バーツもあればタンク設置工事と畑・トイレ・シャワーまでの配水工事込みで大丈夫、というものでした。 ところが、どこを掘っても水が出ない・・ 結局、地下100m以上掘れる機械を持っている業者に依頼し直すことに。

最終的には地下50mで水を掘り当てました。 今後200年分の水量があるとのことで、まあ良かったとも言えますが、予想していた金額のおよそ3倍以上の出費でした。 また、水道(蛇口)を各所に取り付ける必要もあります。 うちは自分でやりましたが、こういうのもすべて業者に頼んでいたら、あと数万バーツは余計にかかると思います。

公共の水道は論外です。 水圧は低いし、使用する水量を考えるとコストが高すぎて使い物になりません。 現実的には水路の水か?地下水か?の2択でしょう。

電気

電気は近くの電線から引いてくる工事と、自分の土地内に電信柱を数本立てる工事、そしてブレーカーやコンセントなどの機器を設置する費用がかかります。 そしてアウトドア栽培でも、1日6時間程度すべての大麻に均等に光を当てる電気が必要になります。

まず電気を土地に引く工事、そして電気機器の設置工事はすべて専用の業者に頼む必要があります。 タイも日本と同じで、電気工事は資格を持った技術者がやらないと違法になります。

1本6mの電信柱が1000バーツくらいだったと思いますが、これを4本、そして電気を引く工事全部で5000バーツほど。この工事は国の業者がやるもので、日本で言うなら東京電力のようなところに頼みます。 この工事は大掛かりな割に安いのは、これから電気代を払うからでしょう。 また電気を引く工事と電信柱を設置する工事は別業者で、費用も両方発生します。

ここまでは安いですが、大麻畑の電気は安くないです。 うちの場合40mの長さの電線に20個の電球をつけたものが12本、そして10個の電球をつけた線が1本。これに電球が約300個で、総額5万バーツほどかかりました。 *これはかなり安くやってもらいました

ということで、電気関連は7万バーツ強でした。

整地

うちの土地は最近までラムヤイ畑でしたが、その前は周囲と同じく水田でした。 なので土地の高さが低く、水はけが悪いという大麻畑には最悪の環境でした。 *大麻はとにかく水はけが大事。

そこで、いわゆる盛り土をする必要がありました。 実際には、大麻畑にする前から何度も土を入れていたので、大金がかかったとまではいかずに済みましたが、もし最近まで水田だった場所を大麻畑にする場合は、少なくとも土代だけで2,30万バーツは覚悟したほうがいいでしょう。広ければもっとです。

過去に何度も土を入れているうちの場合でも、今回の大麻畑の件で10万バーツほどの土を追加で入れました。 それとラムヤイの木の撤去費用、さらにトラクターのような重機?農機?で、土を撹拌したあとに、畝を作る費用もあります。 畝にはマルチングのシートを張るのですが、耐久性のあるシートだと100Mで3000バーツ以上します。

これらもろもろの費用で、だいたい15万バーツ弱くらいかかったと思います。

乾燥用のホームと苗木用のホーム

収穫した花を乾燥させる屋根付きのホーム、そして種やクローンの苗生をポットで育てる期間用のホームが1つずつ必要になります。 *乾燥用ホームはライセンス取得時に必須となります。

これもうちは自作しましたが、正直かなりキツかったです。 セメントを混ぜる、運ぶというのを繰り返して、1週間で8キロ痩せました(笑)。 乾燥用の方は、鍵付きでかんたんに入れない構造でないとライセンが下りませんので、ビニールハウスなどは不可、ある程度の強度が求められます。*詳しくはFDAに聞いてください。

コンクリート製の柱と金網、竹、強化ビニール、屋根、農業用の光カットシート(カーテンみたいなもの)、電気、砂などで、5万バーツくらいだったように記憶しています。材料費だけで済みましたが、もうあんなことは二度とできないと思います。 業者に頼むことをおすすめします。

まとめ

という感じで、初期費用はだいたい70万バーツくらいかかったと思います。実際はこれにプラス、シャワー、トイレ・キッチンの設備に7万バーツ、休憩所の自作費用で3万バーツ、その他、給湯器や台車、農具、鉢などの費用もかかってます。

確かに結構な金額がかかりますね。 周りのタイ人は、農業にそんなに金をかけるなんてあり得ないと言います(笑)。 ただずっと栽培だけとか、片手間の副業でやるにはコストが高すぎますが、農業だけでなくもう少し広いビジネスプランを持っていれば問題ないでしょう。

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コメント

  1. 田中 より:

    はじめまして、タイでの大麻農家に興味がある者です。
    市場調査も兼ねて色々調べに今週タイに来ております。
    もし可能であれば一度お会いして色々とお話をお伺いしたいのですがいかがでしょうか。

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