タイの大麻解禁について 法の正しい解説

大麻ビジネス

2022年の6月から、タイが大麻完全解禁だ!!とか、大麻が麻薬リストから外れた!とか、タイの大麻解禁についていろいろ報道されています。 私もこのブログ記事でタイの大麻法について何度か解説してきましたが、この解説を読んで「なんか報道と違う」と感じた方は少なくないかもしれません。 私自身も「変だな・・」と感じる事がしばしば。

ですが今日、タイで大麻ビジネスに参入しようという何人かの日本人の方と話していて、何が変なのかようやくわかりました。 というのは書き手の所持しているライセンスの種類によって、法律を語る視点が大きく変わってしまうということに気づいたのです。

何言ってるの?と思われそうですが、これを読めば、今のタイ大麻法がどうなっているのか?が、ほぼ理解できるはずです。

大麻の区分は3種類

まず第一に理解するべきは大麻の区分です。大麻は法的に3種類に分けられていて・・・

  • 医療用
  • 産業用
  • 嗜好用

まあ、誰でも聞いたことがあるこの3つです。で、この3つがどういう条件で解禁されているか?を理解すると、今のタイの大麻法がだいたい理解できます。

実は現在タイが解禁しているのはこの3つ全てです。 まず医療用は条件なし、産業用は基本THC1%以下、嗜好用(便宜上、嗜好用と呼んでいますが、正確には大麻全般の事です)はTHC0.2%以下となっています。 詳しい方はおわかりと思いますが、事実上嗜好用は未解禁といえますね。

また医療用、産業用は栽培・加工・販売のライセンスがあり、嗜好用はまだライセンスが存在しないという状況です。 そして嗜好用を除く、医療用と産業用ではライセンスの取得方法、条件が大きく違ってきます。

私の話を書いておきますと、私(正確には家族)が所持しているライセンスは産業用です。私が知る限りですが、今のところ日本人関連で産業用のライセンスを取得しているという人は聞いたことがありません。皆、医療用のライセンスを取っていると聞いています。

2つのライセンスの特徴

まず医療用ライセンスですが、これを取得するには基本的に 医療組織 or 大学などの研究機関と合同である必要があります。また産業用と比べ多くの制限・条件があり、取得者は主に法人で、コスト(ライセンス取得・栽培)が高いという特徴があります。また先程も書きましたが、日本人の参入が多いライセンスです。

次に産業用のライセンスですが、こちらは個人でも法人でも単独で運営が可能、ただし加工コストはかなり高いので、加工・販売を行うのはほぼ法人になると思います。栽培のみの個人取得が多く、嗜好用大麻の栽培の準備・練習でこれを取得する個人が多いという傾向があります。そしてタイの現地栽培者(特に個人)の多くはこのライセンスを取得する場合が多いです。

なぜ私が産業用を選んだか?

私が産業用ライセンスを選択した理由は、独自で自由に栽培できるからです。 私が実際に聞いた話に限りますが、医療用の場合パートナーの出す条件が厳しく、どう考えても自分側に不利な条件が多く、いくら高THCの大麻が作れるとはいえ、ほとんど魅力は感じませんでした。

大麻ライセンスの申請が開始された頃ですが、ある学校関係と医療関係のパートナー説明会に参加し話を聞いたことがあります。このときの条件は、相手が言う初期費用を負担し、相手の敷地で賃料を払い、栽培する種類や設備を相手方が決めるというもの。 一応プロフェッショナルの手厚いサポートが無料でつくとのことでしたが、代わりに利益の何割かを持っていかれますw これだけでも考慮するに値しませんが、どちらの条件にも事実上のバイアウト不可というのがあり、正直言って論外、笑いながら帰った記憶があります。

反対に産業用はTHC含有量が低いというデメリット以外はほとんどがメリットだと感じました。 タイが大麻を解禁した理由は、主に旅行者を呼び込むためですから、いずれ嗜好用を解禁するのは確実です。それまでに産業用であらゆるテストをしておき、本当の大麻解禁時までに準備をしておこうと考え、今に至ります。

個人での大麻栽培解禁は腕を上げる大チャンス!

よく日本のニュースで、「タイの大麻栽培登録者が100万を超えた!」というのを見ますが、じつはこれ、ほぼ住所と名前を入力する程度のオンライン登録数が100万を超えたというだけです。 なので実際に栽培しているのは数分の1以下、しかもまともな栽培者はかなり少ないはずです。

実際に私の周りでこの登録をした人は何人かいますが、栽培を始めたという人は一人もいません。まあそんなものだよね・・という感じですが、この解禁は産業用ライセンスを持つ栽培者にとって、とてつもなく大きな練習の機会になりました。

なにしろ世界的な人気種を合法的に栽培できるのです。しかも前回の記事で書きましたが、2022年8月現在は何本栽培しようが販売しようが自由です。 いろいろな種類の大麻を栽培できたことで、非常に多くの知識が付きました。 

医療用大麻を買うのは簡単

もしタイが現在のような大麻購入フリー状態が終わり、処方箋が必要な医療用の大麻しか買えなくなるとします。 ですがそれでも買うだけなら割と簡単のはずです。

大麻処方ライセンスはそこら辺のクリニックなどでも簡単に発行されます。 ある程度タイ語が話せるか、通訳がいれば、旅行者でも医療用大麻購入カードは発行してもらえますので、欲しい人はチャレンジしてみてください。費用は確か数百バーツだったはずです。

ですが医療用大麻の販売ライセンスはそこまで簡単には出ないでしょう。

今後の見通し

前回も書きましたが、やはり完全フリーの状態はそう長くは続かないかもしれません。 ですが、噂されているような事態にはならないような気もします。

というのも今大麻の取締を強化し片っ端から販売店や購入者を逮捕なんてしてしまえば、旅行者は激減するでしょうし、なにより罪状はなんだ?という話になります。それに医療用だけ解禁しても、大麻効果による観光者数増は見込めませんし、当然外貨収入も知れています。

そう考えると、目立つ場所は警告が入り、何度か無視すると業務停止命令のようなものを喰らうとか? そして簡易化された新たなライセンスが発行されるとかですかね? 事実タイ政府はこの短期間で似たようなことをしています。

私もつい先日、チェンマイで医療用大麻の販売登録をしてきましたが、その担当者から産業用ライセンスを持っているなら多分販売ライセンスも問題ないと思いますよ~なんて言われています。 個人的には医療用の販売ライセンスはあまり興味が無いのでどちらでもいいのですが、まあそんな感じで特に難しい事はないのかなと楽観視しています。 どちらにせよこのビジネス、いくらでも合法なやりようはあると思います。

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