タイの米作とコメ問題

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日本人がタイで米作(稲作)をするとしたら上手くいくのか?と、ちょうど今、タイであるコメ問題が大きな話題になっているので、それについてお話します。

日本人がタイに移住すると、ほとんどの場合「仕事の問題」が出てくるようです。

これはこのブログの「ビジネスをしよう!」のカテゴリーで毎回のように書いていますが、私の知っているタイ長期滞在者のほぼ全員が「タイで仕事をしたい」と、どこかの段階で思った事があると言います。

これはお金を稼ぐということもありますが、仕事自体に何か生きがいを感じたいという人が多いからですね(日本人らしいですよね)。*タイ人に何かで稼いでくれ!と言われるパターンも多いようです(笑)。

そこで私は「農業」をよくおすすめしているのですが、とりあえず今回は 土地がある場合の話をします。

タイ 米作

タイの米作は儲かるのか?

この記事は 2015年5月27日に投稿したものです。

これはこの後に書く「タイのコメ問題」とも関係があるのですが、基本的にはタイでコメを作ると儲かると思います。

まずコメに限らずですが、タイは大部分の地域の土地が農地としてすぐに使えるようになっています。

もちろん都市部は違いますが、すこし離れればコメでもなんでも作れる土地がたくさんあります。 この意味は近くに水路があるという意味です。

土地だけでなく水路をひくのもわりと簡単なので、日本人でもタイで農業を始めるのはそれほど難しくはありません。

そして具体的にどの程度儲かるのか?ですが、例えば私の家族が2013年にコメを作ってみた話を書きます。

最初にこの土地は従兄弟の土地です。

元々この土地は農地ではないのですが、周りのほとんどが農地になっているので、この辺りは全部農地といってもいいような場所です。

土地の場所はチェンマイ市内から車で30分程度、幹線道路から5分ほど入った場所です。

この土地は投資?の為に従兄弟は買ったようですが、よくタイ人は土地を買うので、これもそういう類のものだと思います。

買ったのは10年ほど前、今までここで何かをしたことは無いとのこと。

広さはだいたい正方形で、300平方メートルというところでしょうか? スイマセン、正確にはわかりません。

この時、ここでコメを作ると決めたのは、隣の家の農家の推薦です。

このウチのオヤジとは仲がいいのですが、この人が言うには「今、手が開いている人手があるから、あそこで米作をやらせて欲しい」と言ってきたのが始まりでした。

この人は専業農家で、そこで多くの人を使っているそうです。

何かの都合で人手が余ってるとかで、こう提案してきました。

考えるところといえば、経費は全てこちら持ちという部分。

人件費は日払い、その他肥料、種苗、農業機器のレンタル代、これらも全てキャッシュが要ります。

軽く計算して、従兄弟とウチの家族で半分ずつ出し合い、やろうということになりました。

大体の準備が終わり、さあやろう!という2,3日前に隣のオヤジが、「やっぱりできなくなった」と言ってきました(笑)。

理由は面倒なので聞きませんでしたが、それよりどうするか?の相談をしないとな・・・なんて考えていると、義理の父がこう言います。

「やるよ」。

「隣のオヤジが助けないのに、どうやって?」と思いましたが、「このあたりなら農業の手伝いなんて、いくらでも集まる」との事。

そして農業機器なら、ちょっとした金額でいつでも借りられると・・・ *相手の時間に合わせる必要はありますが。

要するに最初から隣のオヤジは必要なかったようです。

そこで作業の初日を見に行ってみると、農業のプロみたいな人達が10数人集まっています。 雰囲気的に私が何かをすると邪魔になりそうなので、遠くで見ていました。

ちなみにウチの家族は誰も田んぼに入りません。

従兄弟なんて見にも来ません(笑)。

全部人任せでいいの?なんて聞くと、自分が入ることによって、誰かの職を奪うことになるから、来た人全員にやってもらうんだそうです。

1日の給料も安いです。

でもこういう仕事の探し方、人の集め方はタイでは普通なんだそうです。

特に農業は自分の土地以外でも、こういったフリーランス的な仕事で稼ぐのは普通なんだとか。

農業用機器も眠らせておくより貸して少しでも金にしょう、という訳ですね。

ちなみに機械を出す人自身がバイトに来て操縦していました。

こんな感じで結局私の出番は無いまま日本に帰国しましたが、

この田んぼの収支が一体どうなったか?

これで1万バーツ程のプラスだそうです。

もちろんこれだけで食べていけるような金額では無いですが、私はコレを聞いて「わりといいじゃないの?」と思いました。

でも実はこれ、今まではもっと全然儲かっていたそうです。

正確にはこういった方法でも削るところを削って、しっかり管理し国にコメを売ることで今までは凄く稼げていたのだそうです。

タイのコメ問題

今タイの国内ニュースで騒がれているのは「コメ問題」。

昔日本でも聞いたことがありますが(今でもですよね)、日本の農家が作るコメは基本的に国がそのコメを買い上げるというシステムだったと思います。

これは農業保護というより、国民の主食をキープする意味なので大事とされてきました。 ところが随分前ですが日本でも倉庫に莫大な量のコメが貯蔵されているというのが問題になりました。

もうほとんどが腐っているか、ネズミに食べられているなんて話題になった記憶があります。

そしてタイの問題ですが、現在のデモとも少し関係があります。

タクシン氏支持派と言われる稲作農家ですが、この農家に対し買い上げたコメの代金を国が未払いしているとのことなのです。

しかもすでに4人の農民が自殺をしているという、なんとも深刻な事態です。

そして地方から国に対し収めたコメの代金を支払え!と、歩いてバンコクまでデモ行進しているグループもいるとか。

この問題が大問題になっている理由は他にもあります。

まずインラック首相の支持基盤の農民に対し、コメだけ受け取り金を全く支払っていない。 *期限を設けたらしいが、ことごとく国は無視している。

これはひどいですよね。

元々タイのコメ買取価格は異常に高いと言われていました。

これによりタクシン派が農村地で強いと言われていましたが、いくらなんでも国が踏み倒すのは普通ではありません。*高い買取価格はコメだけでは無いですが。

さらにこの問題を大きくしたのが、この備蓄されているはずのコメが消えてしまったということです。

さらにさらに、この時のコメ担当議員や職員らが、この数年で豪邸を建て、高級車を数台も購入していることが発覚しました。

これを調べあげているのはもちろんデモ派です。

私は今でも、リーダは選挙によって決めるべきと思いますが、犯罪はそれ以前の問題です。

汚職ももちろん犯罪ですが、これは汚職ではなく窃盗ですよね。

でも・・・

ただしこんな意見もあります。

タイのコメ買取価格は異常だった。

あんなことがいつまでも続くとは、ほとんどの農民が信じていなかった。

ウチで作ったコメもそうです。

後で払うと言い、高い買取価格を提示しているのは家族も知っていました。

ところがウチでは民間に安く売っています。

というよりウチのご近所さん農家はみな、コメを民間に売っているそうです。

この辺は日本の感覚とはかけ離れていますね。

こういう面で国を信じないという国民は日本にはあまりいませんよね。

国が買い取りを止めるとか、価格を下げるというのはあり得ますが、待ってくれと言って払わない、さらに無くなってしまう。

タイと日本の、このへんの違いは大きいと感じます。

確かに日本でも今後、年金の問題で似たようなことが起きるかもしれません。

いや、すでに起きていますか・・・

年金消えていますよね。

ですが、自分でコメを作って自分で食べたりする分には、タイでの米作りは悪く無いと思います。 民間に売るのもいいです。

知り合いがいれば、人を雇うのも簡単みたいですし。

ただ一つ、信用できるタイ人に相談することは大事です。

まあ、ケタ違いの金額を平気で吹っ掛けてくるのも多いですから。

もちろん断ればいいだけですが。

一応気をつけてください。

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